フィットネスコラム

蒸留酒は太らない?

更新日:2015年 06月 04日
by からだの中からフィットネス

夏間近! 冷たいビールが美味しい季節がまもなく到来します。しかし、太ることを気にして、ビールよりも糖質が入っていない蒸留酒(焼酎・ウィスキーなど)を好む方がいるようです。これは「アルコール自体は太らない。一緒に入っている糖質が太る原因である」という考えに基づいているようですが、蒸留酒であれば本当に太る原因にならないのでしょうか?

 

■「エンプティーカロリー」とは?

そもそも「アルコール自体は太らない」という認識が広まった要因のひとつに、アルコールのもつカロリーが「エンプティーカロリー」と言われることがあります。「エンプティー(empty)」は英語で「空っぽ」という意味ですから、ここから派生して、アルコールは「空っぽのカロリー」すなわち「カロリーがない(低い)」と捉えられえたようですが、それは誤解です。では、何が“空っぽ”なのでしょうか?

 

■栄養素とエネルギー

私たちが飲食しているもので、カロリーを持つ栄養素は3つです。

  • タンパク質(1gあたり4kcal)
  • 脂質(1gあたり9kcal)
  • 糖質(1gあたり4kcal)

これら3つをあわせて「エネルギー産生栄養素」と呼びます。エネルギー産生栄養素は、体内でエネルギーになるばかりではなく、筋肉や肌など、体を作る材料になったり、ホルモンや免疫に関わる物質を作ったりと、様々な働きがあります。栄養素は、健康な体を維持する上で必要不可欠なのです。

 

■アルコールは栄養素が空っぽ

一方で、アルコールは1gあたり7kcalのエネルギーがあります。このエネルギーは、前述の3つの栄養素と「エネルギーになる」という点では共通しますが、それ以外の機能はありません。

つまり「エンプティーカロリー」とは、「栄養素としての働きが空っぽ」という意味であり、決して「エネルギーが空っぽ」という意味ではありません。つまり、蒸留酒もビール同様、量によっては太る原因になります

 

■お酒は嗜好品~200kcal以内を目安に~

1日に摂取するエネルギーのうち、アルコールが占める割合が増えると、栄養素が十分に摂りづらくなります。お酒はあくまでも嗜好品です。大切な栄養素を補給するという観点から、お酒は1日200kcal以内に抑えることをお勧めします

※200kcalの目安
 ビール:500ml
 日本酒:1合
 ワイン:2杯
 焼酎水割り:2杯 

 

beer

きちんと栄養を摂るためには、お酒は1日200kcal以内を目安にしましょう。

からだの中からフィットネス

河村 玲子

パーソナルダイエティシャントレーナー。 「からだ作りを、管理栄養士として食事の面からも、トレーナー(NESTA-PFT 保有)として運動の面からもサポートする」をコンセプトに活動中。メディアへの執筆やセミナー講師、栄養カウンセリング、トレーニング指導などを行っている。 JAFA機関誌『ヘルスネットワーク』で、2014年10月号より半年にわたり「フィットネス指導者のためのセルフケア~栄養・食事編~」を連載。

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