フィットネス指導実践報告会

過去の報告データ

2007年フィットネスサミット『フィットネス指導実践報告会』報告

『フィットネス指導実践報告会(2007/9/10)』

園田幸子さん

ポスター発表を行う園田幸子さん

5回目を迎えた報告会は、学生部門から1題、指導者部門から8題が発表されました。この報告会は、フィットネス指導に関する社会的なニーズと指導現場における課題が反映されているのが特徴です。例年、高齢者向けの運動指導に関連した発表が多いのですが、今回は子どもに関する演題が2つあり、また携帯電話を活用したウォーキングプログラムやメタボリックシンドロームに対するアプローチ法などがありバラエティに富んだ発表となりました。また今回から、新たにポスター発表が加わりました。報告会の終了後、会場のロビーで行われたポスター発表には混雑するほど見学者が押し寄せ、掲示者による具体的で詳細な発表を聴講した後には熱心な質疑応答が繰り広げられました。

高齢者を対象にした運動指導の研究・発表は、年々質の高い内容になっています。超高齢化社会を迎えた現在、いすやボールなどを用いた集団指導プログラムはもとより、行動変容やウオーキングをテーマにした研究が進められています。すでに多様な演題がエントリーされていますが、聴講者から比較的高齢者の参加が少ないアクアエクササイズやパーソナルトレーニングについての研究を望む声が聞かれました。

鈴木邦明さん

鬼ごっこが子どもの体力に与える影響について報告した鈴木邦明さん

子どもの体力低下がより深刻化しているなかで、学校を舞台に体力づくりに取り組んでいる発表が2題あり、聴講者の注目を集めていました。講評した小澤治夫先生が「多忙を極める教師だからこそ他の研究者(大学等)と連携を図り、体育科教育に影響力がある学会での発表を視野に入れ、さらなる研究活動に取り組んでいただきたい」とのコメントも印象的でした。この2題の発表によって、子どもを対象にしたフィットネス指導の重要性とともに、この分野の研究や情報交流が横断的に行えるネットワークが必要であることが示唆されました。

回を追うごとに発表内容が高度化している報告会。今後も身体福祉学会と共同開催するならば、身体福祉学会での発表に適した演題が登場することでしょう。一方、指導スキルや主観的な運動指導の成果など、より指導実践に関連した内容の発表が報告会に登場するかもしれません。いずれにしても、フィットネス指導者が演壇に立って成果を発表できる貴重な機会ですので、より多くの方々に聴講していただき、その成果をご活用いただきたいです。もちろん、エントリーもお待ちしています。

その他のレポート

  • 2007年フィットネスサミット『第一回身体福祉学会学術総会』報告詳細はこちら